
7つの学位プログラム化学生命工学系プログラムChemistry and Biotechnology Program
物質合成化学分野、物質機能化学分野、化学プロセス工学分野、生命科学分野の構成の下に、基礎化学から応用化学、化学工学、生命工学までの幅広い化学技術に関する専門性の深化と、合成開発、物質機能創造、あるいはプロセス開発に関する知識・技術を基礎として広い視野に立った他分野との融合により、課題の探求・解決能力を有する技術者や研究者の育 成を通して、人類生活の利便性、環境と物質の調和、資源やエネルギーの開発、病気の診断・予防・治療に貢献することを目的とする。
合成化学、物理化学、有機化学、無機化学、分析化学、化学工学、生命工学、生命科学などを基盤としつつ、より高い専門性と複合的な視点に基づいた課題解決が求められる化成品や医薬品の開発研究に携わる技術者、化成品、医薬品や食品の製造に従事する技術者、環境保護や保健衛生に関わる高度専門家、バイオベンチャーや公的研究機関の高度専門技術者及び研究者を養成する。
- このプログラムの対象分野
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- 物質合成化学分野
- 物質機能化学分野
- 化学プロセス工学分野
- 生命科学分野

未来の環境保護のための
大気中マイクロプラスチック分析技術の開発
マイクロプラスチックが空気を汚染!私たちの健康への影響は?
人類がプラスチックを生み出してから約150年が経ち、現在では年間4億トン以上生産されています。この増加に伴い廃棄量も増え、微細化したプラスチック粒子が環境中に拡散し、マイクロプラスチックとして世界的な環境問題を引き起こしています。大気中のマイクロプラスチックは、呼吸によって人体に取り込まれる可能性があり、その動態や影響の解明が求められています。
大気中のマイクロプラスチックを可視化する!新たな分析手法の開発
従来の赤外吸収分光法やラマン分光法では、光の回折限界などの理由により、大気中の微粒子の完全な追跡が難しいという課題がありました。そこで、私たちは熱分解ガスクロマトグラフィー/質量分析法(Py-GC/MS)を用いた新しい分析手法の開発を行っています。この手法では、粒径に影響を受けずに微量のプラスチック成分を分析することができます。
空気中の微粒子を徹底分析!プラスチックの謎に迫る
私たちは、大気中の微粒子を空気動力学径によって分類し、石英繊維フィルターで捕集した後、直接分析します。これにより、微量のプラスチック成分を高感度で検出し、他の共存物質の影響も排除することができます。また、分析対象としてプラスチックやゴムの種類も多岐にわたり、包括的な分析を目指しています。
大気汚染対策の切り札に!マイクロプラスチック分析の重要性
この手法の導入により、大気中のプラスチックやゴム成分を単位体積当たりの質量で評価し、PM2.5などの健康への影響を測定することができます。さらに、国際的なデータの比較も可能になり、大気中での移動や影響の程度に関する理解が深まります。最終的には、大気中のプラスチック量の許容量を決めることができ、環境問題への具体的な対策の策定が期待されます。
マイクロプラスチック汚染のない未来へ!技術革新が拓く道
熱分解ガスクロマトグラフィー/質量分析法(Py-GC/MS)は、プラスチックやゴム成分だけでなく、添加剤の分析にも応用できます。この技術は日本が世界をリードするものであり、今後の環境問題解決のためのキーテクノロジーとなることは間違いありません。

水口 仁志准教授
博士課程は、専門知識を深めるだけでなく、あなたの潜在能力を最大限に引き出す絶好の機会です。世界中の人々と簡単に交流できる時代、活動分野や行動範囲を広げやすくなったことは嬉しいことです。異なる文化や専門的背景を持つ友人と出会い、協力しながら共通の目標に向かって努力することで、学術的成果だけでなく人間的成長も得られます。この成功の喜びを分かち合う経験は、あなたの人生にとって価値あるものとなるでしょう。