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7つの学位プログラム知能情報・数理科学系プログラムComputer Science & Mathematical Sciences Program

現代社会の基幹を成す科学技術分野である人工知能やデータサイエンス等の専門性の深化と、広い視野に立って他分野と融合化することができる ICT、IoT関連の技術の開発及びそれを担う技術者や研究者の育成を通して、安全・安心・快適な社会の形成に貢献することを目的とする。
情報工学、知能工学、それに関連する数理科学分野で構成され、専門性との関係を意識しながら、専攻を横断する広い視野を持ち、組織的・系統的なハードウェアとソフトウェア系を対象とした情報工学、知能工学や、それらに関連する諸問題を解決して発展させるための工学系応用数学について体系的な知識と専門的な技術を持つとともに、最先端の専門的知識・技術を活用し、専門性と創造性の視点を生かしながら課題解決力や研究開発力を有する高度専門技術者及び研究者を養成する。

7 degree programs / 博士課程の学びの特長
このプログラムの対象分野
知能工学分野

人に優しい画像処理:
AIで実現する人の目を超える次世代ビジョンシステム

カメラ社会における画像処理技術の重要性と課題

カメラの高性能化、小型化、低電力化、低価格化が進み、いたるところに監視カメラが設置されるようになりました。自動車や携帯端末など多くのものに小型カメラが装備されるようになり、カメラの存在が当たり前の時代になりました。一方でそれを処理する画像処理技術はまだまだ発展途上にあります。我々は、AIを用いて、あらゆる分野において、人の目と同じ、もしくはそれ以上の能力を有する次世代のビジョンシステムの実現を目指しています。

様々な分野で活躍する「人に優しい」画像処理システム

我々の研究の目的は、工業やITS、農業、セキュリティからエンターテイメントにいたる様々な分野において、人を見守り、人を助け、人に役立つような「人に優しい画像処理」システムを構築することにあります。しかしながら、人が簡単に知覚できる対象でも、一つ一つ形状が異なったり、撮影のタイミングで照明条件が著しく変化したりするため、その実現のためには、新しい発想と工夫が必要不可欠です。

実用的な画像処理技術の開発と応用

我々は様々な分野において、研究室単独、もしくは企業や公立の研究所と共同で、実用的な画像処理技術を研究、開発しています。画像処理の応用範囲はますます広がりを見せていますが、例えば工業分野においては製品の外観検査や製品の監査等を、ITS分野においては横断歩道の監視を、農業分野においては農業害虫のカウントや植物の育成状況監視等を、セキュリティ分野においては煙の検知や人群の行動監視等を、食品分野においては異物混入検知の研究開発等を、エンターテイメント分野では阿波おどりの自動採点等の研究開発を行い、その成果を世の中に輩出しています。

画像処理とAIの融合による高精度な画像処理

データを集めて単純に深層学習を適用しても、ある程度の精度は得られますが、実際の現場で使えるまでの精度をあげることはできません。そこで我々は画像処理とAIをハイブリッド化した次世代AIビジョンシステムの研究開発をしています。これは画像処理が苦手な部分をAIが補い、AIが苦手な部分を画像処理が補う実用に即した画像処理システムで、複雑であいまいな形状の対象に対してでも、高速で高精度な画像処理を可能にすることができます。

AIが拓く画像処理の未来

AIの適用範囲は、現在のところ、従来の画像処理システムを高精度化することに主眼がおかれていますが、将来的にはAIを用いることで、これまで全くなかった新しい画像処理システムを開発することができると思います。

寺田 賢治教授

博士後期課程は、小学校から始まる日本の教育システムの最後の最後にくる教育機関です。この上はありません。この最後の「教育」機関では、教えられる「teach」ではなく、自ら課題を設定したり、調査したりする「Study」、そして新しい技術を身に着け、新しいことを発見する「Learn」の場となります。ここでは何をしても良いし、その全てが新しいことになります。言わば大学に守られながら、魅惑の冒険に出られるようなもの、その体験が許されるのは博士後期課程に進学した者だけです。

04
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