研究科長あいさつmessage

徳島大学大学院創成科学研究科長

武藤裕則

これからの時代が求める、
高い専門性に加えて多様な観点からの幅広い視野を有する人材の育成

「徳島大学大学院創成科学研究科」は、常三島キャンパスに存する「総合科学部」、「理工学部」および「生物資源産業学部」の3学部に続く大学院として、令和2年4月に修士課程が、そして令和4年4月に博士後期課程が設置されました。これにより、平成28年4月の学部改組に始まった一連の教育組織再編が完成しました。なお、これに伴い、修士課程は博士前期課程と名称変更されています。

現在、ソサエティ5.0、SDGs、DX、AI、カーボンニュートラルなどの言葉に代表されるように、時代が変化するスピードは非常に速く、そこで求められる知識や技術も多様化・複雑化しています。このような中、大学、特に大学院では、イノベーション創出人材の養成が社会から強く求められています。技術開発とその後の商圏確保は世界が競争相手になりますので、グローバルな活躍力も求められます。一方、地方大学では、過疎化や地域産業創出等の地域課題を解決する人材養成も求められています。以上のことは、今までの大学院が主に想定してきた、学者・研究者に代表されるような、ある特定分野について極めて高い専門性を持った人材養成像からの転換が求められていると言えます。

このようなことを背景に、令和2年度設置の修士課程では、1つの研究科の下に各学部との連関性をある程度残した「地域創成」、「臨床心理学」、「理工学」、「生物資源学」の4つの専攻を設置しつつも、自身の研究に関連する他分野の内容を修得できるように「教育クラスター」という分野横断的な教育プログラムを立ち上げると共に、学位論文指導科目である「特別研究」、「特別演習」では従来の専門分野を越えたオープン形式の研究発表や討議等を取り入れ、さらにデータサイエンス力、グローバル活躍力等の養成のための「研究科共通科目」を必修科目として設けました。

続いて令和4年度設置の博士後期課程では、博士の称号にふさわしいレベルまで専門性を高めた上で、研究者や大学等の教員だけでなく、自身の専門性を活かしたイノベーション創出人材が輩出できるように1専攻構成としました。各大学院生は、各専門基盤分野の教育研究を行う組織としての「学位プログラム」に所属し、自身の専門性をより一層高めます。それに加えて、自身の研究課題に関係するいずれか1つの「研究指導クラスター」を選択し、自身の研究に関連する他分野の知見を学修することで、自身の専門性のさらなる深化とその分野横断的な展開力を同時に修得し、社会が求める課題に対する高度な対応力の涵養を目指します。

他大学では、大学院内の複数の専攻の中から自分の専門分野を主専攻、それ以外の分野を副専攻として選び、在学中に複数の研究に取り組むのが主流となっています。本研究科では、所属コース/学位プログラムを横断的に貫く「教育クラスター」、「研究指導クラスター」を通じて他分野の教員からの指導や課題に取り組むことで、自身の専門性を高めると共に、総合的・俯瞰的視点を身につけようとする点に大きな特長があります。加えてこれらのクラスターは、学内措置で新設・改廃できるため、社会が求める課題の変化に柔軟に対応させることができる点も強みです。本研究科で学修することで、これらの特長を存分に活用し、これからの時代が求める、高い専門性に加えて多様な観点からの幅広い視野を有する「ジェネラリストの視野を持ったスペシャリスト」となられることを期待しております。また、そのような人材を一人でも多く輩出できるよう、教職員一丸となってサポートして参ります。

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